【とくしまアウトドア放浪記 】第1回
2024.04.04
牛尾さんの連載がスタート✍
「Trip 四国の川の案内人」代表の牛尾さんによる、TAG TIMESの連載がスタート。
記念すべき第1回は「春風サイクリング&河原でグルメの巻」。

BLUE CYCLE LABOと行く つるぎの集落とうだつの町並みサイクリング🚲
暖かかった今年の冬、例年だと雪のフィールドに出ていることが多いのだが春らしい気候に誘われサイクリングに出かけることにした。今回はBLUE CYCLE LABOの眞鍋さんと事務所で待ち合わせをし、地元貞光の町を案内しながら楽しむことに。眞鍋さんは今までにも何度も一緒にツアーなどを開催してきた仲でもある。
まずはどんなルートを走るか地図を見ながら確認する。
今回は「Trip 四国の川の案内人」事務所を出発し山の集落を抜け二層うだつの町並みを案内することと吉野川の河原でご飯を楽しむことにした。
今回の僕らの相棒はBirdy standard ツーリングカスタムにトレーラーはシングルトラックからバックカントリーまで対応してくれるBurleyのコーホーXC。Tyrell IVE standard ダートカスタムにトレーラーはBurleyのトラボーイ。それらにお気に入りのギアたちを詰め込んだ。毎回それぞれが新たなギアを持ち出し談義が繰り広げられるのも恒例だ。
そして僕らの楽しみ方はサイクリングや観光案内の中に「アウトドア」を入れることだ。


「アウトドア」を入れる?
アウトドアガイドという職業柄、よくお話しすることの一つとして"「アウトドア」について"というのがある。ここで言うアウトドアとは、簡単にいうと管理下で楽しむのが「レジャー」管理外に出ることが「アウトドア」と定義しておくことにする。
管理下から出て危険を回避しながら自然の中へと出ていき、外側から社会を見ることで人間がバランスを取るために生まれたムーブメントや哲学を意味する言葉である「アウトドア」。これをほんの少しでも入れることにより自由が生まれるのでそこでどう過ごすか?という事を考え続け仕事としてさせてもらっている。
今ではその行動は単にアウトドア活動だけではなく環境問題を見るきっかけになったり、防災にも繋がる活動としても捉えられている。
徳島の川と自然
徳島の一番いいところは川と自然、それに加え人口密度の少なさだ。人が少ないのでどこでも遊び場に変えやすいところにあるのだと思う。人口密度の高い場所で育った自分自身もそれが理由で徳島の川と自然で仕事をしようと住み始めた。
川はというと雨量の多い四国山地から流れる吉野川は最大水量が日本一。ということはそれを許容するだけの日本一広い河原という自由空間が広がっていることになる。さらに水質がいいということもポイントが高い。
ただ管理されたレジャー施設ではないので、個人でのリスクマネジメントや他の方々に迷惑をかけないようお邪魔している意識が必要だ。
そしてそれを高めていくことがアウトドアの楽しみでもある。
定期的なゴミ拾いはもちろん、料理などに焚火を使うことが多いが焚火台を使い完全に灰にして自然に返すようにしているし、常に水量などの状況もチェックしている。とはいえ環境がいいとは言えない状況なのが本当のところだ。少し川を散策すると目にするゴミ類、問題となっている海洋ゴミの多くは川から流れ出ているだろうなということにも気付かされる。
管理外は意外と綺麗じゃない。そんなことに触れることもアウトドアの意義だと考えている。

つるぎの集落とうだつの町並みサイクリング
「Trip 四国の川の案内人」事務所を出発し綺麗な貞光川を眺めながら走る。しかし少し行くと上りだ。今回は集落を見ようということなので標高差約150mを上る。少し頑張り高度を上げると明るい綺麗な道に合流した。その道がかつての山の集落への主要道路だ。急傾斜地が多いこのエリアは深い谷底の道より山の上の道の方がよく使われており、その道が主要道路として使われ各集落へと繋がっていたようだ。
少し進むと目の前が開け始め貞光の町並みや阿讃山地までが見渡せるようになる。そんな中に道路から少し下がった場所に佇むのが引地堂(ひきちどう)だ。ここでゆっくり休憩をとった。
さらに進むと次に浦山堂(うらやまどう)に着いた。各集落にお堂があるのがこのエリアの特徴だ。ここからはもうほとんど下りとなる。対向車に気をつけながらうだつの町並みを目指し下っていく。
そして町並みに出たところに「つるぎ山道是より九里八丁」と書かれた石碑がある。一里が約3.9km、一丁が約109mなので剣山まで約36キロほどと言うことになる。ここから剣山を目指し歩き始め、お堂で休憩したり集落でお世話になったりしながら剣山へと向かっていたのかと考えさせられる。
あとは二層うだつの町並みを抜け吉野川へと向かう。
土手を超えて河原へ降り未舗装路を楽しむ。毎回未舗装路へ入りたがる僕のためにBLUE CYCLE LABOではそれに対応したカスタムをしてもらっている。



料理の時間!🍞🍖
広い河原に出て自転車を置き、まずは薪を探し焚火台に火をつける。少し風があったので周辺の石を拾い風防にする。火が安定する間にトレーラーに積み込んでおいたウールのブランケットを敷き、ワンアクションちゃぶ台を広げればリビングは完成だ。
今回はせっかくなので自転車も利用した料理を作りたいなと考えていた。まず、拾った木を自転車に立てかけ仕込んでおいた塊肉を吊るす。それを準備をしておいた少量の桜の薪を使いじっくりと燻す。そして火の周りにはバゲットなどパンを置いて温める。その間に用意しておいや地元野菜などをパーティープレートに盛り付けたら完成だ。こちらのパーティープレートはステンレス製の木皿、浅型ザル、浅型ボウルがセットになっていてシンプルな構造のためグループでの外ご飯には非常に便利だ。野菜を洗ったり、調理前の食材を置いたり、木皿は裏返しにしておくとフラットになるのでまな板や小さなテーブル代わりとして使えるし、焚火台の下で焼いた冷凍ピザに庭で採ってきたハーブをトッピングしてここに置くだけで本格的なピザに変わってくれる。
そんなギア談義をしながら2人で話していたら小雨が降り始めた。結局自転車より食べていた時間の方が長かった今回のサイクリング、次回は少し長い距離を"ちゃんと"走ろうと約束したのでした。




<文:牛尾健>
<企画:牛尾健/眞鍋祐樹>
<写真:萬川奨>
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【 Trip 四国の川の案内人 】
徳島は剣山の麓を拠点に「吉野川の川旅」や「剣山系の山歩き」など
貸切or少人数でのアウトドアツアーを中心に"管理外に出る自由"を提案しています。
ツアー造成や研修、各種コーディネイト、団体でのアウトドア体験、ショップ運営などを通して
アウトドアの成熟&自然観を取り戻すことを目標に活動中。
詳しくはこちら▶https://trip-yoshinogawa.com/
Instagram▶https://www.instagram.com/trip459/
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【 BLUE CYCLE LABO 】
住所:徳島市万代町5丁目71-4
営業時間:11:00~18:00
定休日:月曜・火曜
詳細はこちら▶https://manabebikesgroup.com/
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「Trip 四国の川の案内人」代表の牛尾さんによる、TAG TIMESの連載がスタート。
記念すべき第1回は「春風サイクリング&河原でグルメの巻」。

BLUE CYCLE LABOと行く つるぎの集落とうだつの町並みサイクリング🚲
暖かかった今年の冬、例年だと雪のフィールドに出ていることが多いのだが春らしい気候に誘われサイクリングに出かけることにした。今回はBLUE CYCLE LABOの眞鍋さんと事務所で待ち合わせをし、地元貞光の町を案内しながら楽しむことに。眞鍋さんは今までにも何度も一緒にツアーなどを開催してきた仲でもある。
まずはどんなルートを走るか地図を見ながら確認する。
今回は「Trip 四国の川の案内人」事務所を出発し山の集落を抜け二層うだつの町並みを案内することと吉野川の河原でご飯を楽しむことにした。
今回の僕らの相棒はBirdy standard ツーリングカスタムにトレーラーはシングルトラックからバックカントリーまで対応してくれるBurleyのコーホーXC。Tyrell IVE standard ダートカスタムにトレーラーはBurleyのトラボーイ。それらにお気に入りのギアたちを詰め込んだ。毎回それぞれが新たなギアを持ち出し談義が繰り広げられるのも恒例だ。
そして僕らの楽しみ方はサイクリングや観光案内の中に「アウトドア」を入れることだ。


「アウトドア」を入れる?
アウトドアガイドという職業柄、よくお話しすることの一つとして"「アウトドア」について"というのがある。ここで言うアウトドアとは、簡単にいうと管理下で楽しむのが「レジャー」管理外に出ることが「アウトドア」と定義しておくことにする。
管理下から出て危険を回避しながら自然の中へと出ていき、外側から社会を見ることで人間がバランスを取るために生まれたムーブメントや哲学を意味する言葉である「アウトドア」。これをほんの少しでも入れることにより自由が生まれるのでそこでどう過ごすか?という事を考え続け仕事としてさせてもらっている。
今ではその行動は単にアウトドア活動だけではなく環境問題を見るきっかけになったり、防災にも繋がる活動としても捉えられている。
徳島の川と自然
徳島の一番いいところは川と自然、それに加え人口密度の少なさだ。人が少ないのでどこでも遊び場に変えやすいところにあるのだと思う。人口密度の高い場所で育った自分自身もそれが理由で徳島の川と自然で仕事をしようと住み始めた。
川はというと雨量の多い四国山地から流れる吉野川は最大水量が日本一。ということはそれを許容するだけの日本一広い河原という自由空間が広がっていることになる。さらに水質がいいということもポイントが高い。
ただ管理されたレジャー施設ではないので、個人でのリスクマネジメントや他の方々に迷惑をかけないようお邪魔している意識が必要だ。
そしてそれを高めていくことがアウトドアの楽しみでもある。
定期的なゴミ拾いはもちろん、料理などに焚火を使うことが多いが焚火台を使い完全に灰にして自然に返すようにしているし、常に水量などの状況もチェックしている。とはいえ環境がいいとは言えない状況なのが本当のところだ。少し川を散策すると目にするゴミ類、問題となっている海洋ゴミの多くは川から流れ出ているだろうなということにも気付かされる。
管理外は意外と綺麗じゃない。そんなことに触れることもアウトドアの意義だと考えている。

つるぎの集落とうだつの町並みサイクリング
「Trip 四国の川の案内人」事務所を出発し綺麗な貞光川を眺めながら走る。しかし少し行くと上りだ。今回は集落を見ようということなので標高差約150mを上る。少し頑張り高度を上げると明るい綺麗な道に合流した。その道がかつての山の集落への主要道路だ。急傾斜地が多いこのエリアは深い谷底の道より山の上の道の方がよく使われており、その道が主要道路として使われ各集落へと繋がっていたようだ。
少し進むと目の前が開け始め貞光の町並みや阿讃山地までが見渡せるようになる。そんな中に道路から少し下がった場所に佇むのが引地堂(ひきちどう)だ。ここでゆっくり休憩をとった。
さらに進むと次に浦山堂(うらやまどう)に着いた。各集落にお堂があるのがこのエリアの特徴だ。ここからはもうほとんど下りとなる。対向車に気をつけながらうだつの町並みを目指し下っていく。
そして町並みに出たところに「つるぎ山道是より九里八丁」と書かれた石碑がある。一里が約3.9km、一丁が約109mなので剣山まで約36キロほどと言うことになる。ここから剣山を目指し歩き始め、お堂で休憩したり集落でお世話になったりしながら剣山へと向かっていたのかと考えさせられる。
あとは二層うだつの町並みを抜け吉野川へと向かう。
土手を超えて河原へ降り未舗装路を楽しむ。毎回未舗装路へ入りたがる僕のためにBLUE CYCLE LABOではそれに対応したカスタムをしてもらっている。



料理の時間!🍞🍖
広い河原に出て自転車を置き、まずは薪を探し焚火台に火をつける。少し風があったので周辺の石を拾い風防にする。火が安定する間にトレーラーに積み込んでおいたウールのブランケットを敷き、ワンアクションちゃぶ台を広げればリビングは完成だ。
今回はせっかくなので自転車も利用した料理を作りたいなと考えていた。まず、拾った木を自転車に立てかけ仕込んでおいた塊肉を吊るす。それを準備をしておいた少量の桜の薪を使いじっくりと燻す。そして火の周りにはバゲットなどパンを置いて温める。その間に用意しておいや地元野菜などをパーティープレートに盛り付けたら完成だ。こちらのパーティープレートはステンレス製の木皿、浅型ザル、浅型ボウルがセットになっていてシンプルな構造のためグループでの外ご飯には非常に便利だ。野菜を洗ったり、調理前の食材を置いたり、木皿は裏返しにしておくとフラットになるのでまな板や小さなテーブル代わりとして使えるし、焚火台の下で焼いた冷凍ピザに庭で採ってきたハーブをトッピングしてここに置くだけで本格的なピザに変わってくれる。
そんなギア談義をしながら2人で話していたら小雨が降り始めた。結局自転車より食べていた時間の方が長かった今回のサイクリング、次回は少し長い距離を"ちゃんと"走ろうと約束したのでした。




<文:牛尾健>
<企画:牛尾健/眞鍋祐樹>
<写真:萬川奨>
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【 Trip 四国の川の案内人 】
徳島は剣山の麓を拠点に「吉野川の川旅」や「剣山系の山歩き」など
貸切or少人数でのアウトドアツアーを中心に"管理外に出る自由"を提案しています。
ツアー造成や研修、各種コーディネイト、団体でのアウトドア体験、ショップ運営などを通して
アウトドアの成熟&自然観を取り戻すことを目標に活動中。
詳しくはこちら▶https://trip-yoshinogawa.com/
Instagram▶https://www.instagram.com/trip459/
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【 BLUE CYCLE LABO 】
住所:徳島市万代町5丁目71-4
営業時間:11:00~18:00
定休日:月曜・火曜
詳細はこちら▶https://manabebikesgroup.com/
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