TAKUMI PROJECT
株式会社Wood Head

徳島市内から車で約2時間半の中山間地域にある木頭。木頭と言えばゆずが思い浮かぶ人も多いだろうが、かつての日本三大杉のひとつ「阿波の三分板」と言われたブランド杉・木頭杉の産地としても有名である。
木頭杉は徳島県南部の那賀川上流の高温多雨な気候と、豊かな土壌によって大きく育つ。奈良・平安時代から親しまれ大阪城の築城にも使用されるなど、まさに徳島が誇る歴史と伝統あるブランド杉である。しかし近年では木材需要の低迷から森林の手入れが行き届かず、次々と倒れ土砂崩れが後を絶たない。
そこで立ち上がったのが今回訪れた「Wood Head」さんだ。木頭杉の価値を見つめ、試行錯誤の果てに生まれた「五稜箸」について、代表取締役の西田靖人さんと企画部長の松本恭典さんにお話を伺った。
木頭杉は徳島県南部の那賀川上流の高温多雨な気候と、豊かな土壌によって大きく育つ。奈良・平安時代から親しまれ大阪城の築城にも使用されるなど、まさに徳島が誇る歴史と伝統あるブランド杉である。しかし近年では木材需要の低迷から森林の手入れが行き届かず、次々と倒れ土砂崩れが後を絶たない。
そこで立ち上がったのが今回訪れた「Wood Head」さんだ。木頭杉の価値を見つめ、試行錯誤の果てに生まれた「五稜箸」について、代表取締役の西田靖人さんと企画部長の松本恭典さんにお話を伺った。

感動を与える五稜箸
「五稜箸とは、木頭杉の間伐材を利用して作った五角箸です。木頭杉の赤みと呼ばれる心材を厳選して名付けられた『木頭朱杉(きとうあかすぎ)』は、芳醇な香りと品のある淡赤色が特徴で耐久性・抗菌性に優れています。これらの特徴や杉の木の柔らかさが持つ無垢の木の修復力を活かし、五稜箸は無塗装・無薬品で作っています。しかもとても軽いんですよ。ぜひ持ってみてください」。その言葉通り、持ってみると想像を上回る軽さに驚いた。「なんと5gしかないんです。持っていることを感じさせず、無理な力を入れずに持つことができます。一般的な箸よりも太さがあるのも特徴です。軽さや太さに驚かれる方もいるのですが、むしろ普通の箸が重く、細すぎるんです。その点、五稜箸は五角なので手によくなじみますし、無塗装だから食べ物が滑りにくく掴みやすい。小学生の男の子が五稜箸でなんでも掴めると感動してくれたり、脳梗塞になった方が箸を持てなくなったものの五稜箸に出会ってやっとの想いで食事ができたなど、嬉しいお声もあります」。

"五角"に込められた想い
ところで自身が使っている箸の形を気にしたことはあるだろうか。丸・四角・六角・八角など様々な形状があるが、一方で奇数角は作るのが難しく、中でも五角は最難関なのだそう。ではなぜ五角の箸に決めたのか。松本さんはこう答えてくれた。
「木頭杉の産地である那賀町は5つの町村で形成されています。上那賀・鷲敷・相生・木沢、そして木頭。この5つの町村で地域を活性化したい、そう思いました。また『稜』という文字はモノの角や山の稜線を表しています。この5つの地域を5つの山(稜)に見立て、五角にこだわりました」。
五稜箸が五角なのはただ持ちやすいからだけではなく、木頭杉という地域資源のもと共に振興し未来へ歩む姿が込められているのである。
「木頭杉の産地である那賀町は5つの町村で形成されています。上那賀・鷲敷・相生・木沢、そして木頭。この5つの町村で地域を活性化したい、そう思いました。また『稜』という文字はモノの角や山の稜線を表しています。この5つの地域を5つの山(稜)に見立て、五角にこだわりました」。
五稜箸が五角なのはただ持ちやすいからだけではなく、木頭杉という地域資源のもと共に振興し未来へ歩む姿が込められているのである。

生まれ変わった「わんだぁ工房」
「木を使う機会を与えたい」という想いから毎日の食卓で必ず使う箸に着目し、7年前から箸作りがスタートした。五稜箸が作られているのは木頭和無田(きとうわんだ)にある「わんだぁ工房(旧木頭杉割り箸工場)」。かつて割り箸工場として稼働していたが、林業の衰退と共に閉所されていた。木頭杉をブランドとして再出発させるためこの施設の再生に取り掛かり、平成29年に所在地の和無田(わんだ)から名を取り「わんだぁ工房」として生まれ変わった。ここでは箸製造のほか、様々な木工製品の製造と五稜箸づくりのワークショップ(要予約)も行っているとのこと。
無垢の木は繊細で扱いが簡単というわけではない。木本来の性質を理解したうえで、木とどう向き合いどう付き合っていくか。五稜箸を日々の暮らしの中で使うことで、木への愛着やモノを大切にする心が育つ。これこそがWood Headさんの考える「木育」なのだ。
無垢の木は繊細で扱いが簡単というわけではない。木本来の性質を理解したうえで、木とどう向き合いどう付き合っていくか。五稜箸を日々の暮らしの中で使うことで、木への愛着やモノを大切にする心が育つ。これこそがWood Headさんの考える「木育」なのだ。

生活の中に木頭杉を
箸以外のラインナップも豊富に揃っている。木頭杉と阿波ヒノキで作られた、スマホを立てかけるだけで音の広がりを楽しめるウッドスピーカー「KINOTO(キノオト)」や、木頭杉の端材を利用したしおりなども販売している。ウッドスピーカーは電源不要で持ち運びができるためキャンプにも最適。しおりはリラックス効果や湿度調整機能もあり本との相性は抜群だ。また木頭杉のiPhoneケースも新商品として登場。ウッドスピーカーと組み合わせるのもイチオシだ。その他にはヒノキを使ったコースターや鍋敷き、木頭杉のランタンづくりなどのワークショップも行っているそう。どれも組み立てて簡単に作れるのでお子様にもおススメだ。
松本さんの目標は「過疎化や少子高齢化など様々な問題を抱える最奥の木頭に、人を呼び込み、物流をつくること」なのだそう。古くから多くの人々の生活の中にあった木頭杉が、Wood Headさんの手により現代でも身近になっていくことを願う。そしてぜひ、素敵なモノを生み出す木頭に、人々に、会いに足を運んでみてほしい。
松本さんの目標は「過疎化や少子高齢化など様々な問題を抱える最奥の木頭に、人を呼び込み、物流をつくること」なのだそう。古くから多くの人々の生活の中にあった木頭杉が、Wood Headさんの手により現代でも身近になっていくことを願う。そしてぜひ、素敵なモノを生み出す木頭に、人々に、会いに足を運んでみてほしい。

「株式会社Wood Head」
【事務所】
住所:徳島県那賀郡那賀町木頭出原字イシノモト28-1
電話:0884-68-2320 (廣間組(有) 内)
受付時間: 月~金曜日 8:30~17:00
【わんだぁ工房】
住所:徳島県那賀郡那賀町木頭和無田イワツシ5-23
住所:徳島県那賀郡那賀町木頭出原字イシノモト28-1
電話:0884-68-2320 (廣間組(有) 内)
受付時間: 月~金曜日 8:30~17:00
【わんだぁ工房】
住所:徳島県那賀郡那賀町木頭和無田イワツシ5-23
TAKUM PROJECT
